こんな疑問にお答えします。
2022年8月23日、金融庁が2023年度税制改正要望を財務省に提出しました。こんなニュースを見た方は多いと思います。
金融庁が出した2023年度税制改正要望とは?
今回の税制改正要望がどんな内容だったかを次のような表にしてみました。
税制改正要望のポイントは次の4つです。
- 投資可能期間を恒久化
- 非課税期間を無期限
- 年間投資枠を拡大
- つみたてNISAの対象年齢を未成年に拡大
ひとつずつ見ていきましょう。
①つみたてNISA・一般NISAの投資可能期間を恒久化
恒久化とは・・「一時的な措置や暫定的な処理として実施されているものを、恒常的なものにすること」とあります。
ようするに、今はつみたてNISAは2042年までしか購入できない、一般NISAは2024年から2028年までしか投資できないのを、それ以降も購入・運用できるようにするという内容です。
②つみたてNISA・一般NISAの非課税期間を無期限に(ずっと非課税)
これが一番重要なポイントではないでしょうか。
今現在、つみたてNISAは購入した年から20年間非課税、一般NISAは5年間非課税になっていますが、これを「ずっと非課税にする」という内容です。
非課税期間が過ぎてから発生した利益には通常20.315%が課税されるのですが、これがずっと非課税なのは、全投資家にとってかなりのメリットです!
③つみたてNISA・一般NISAの年間投資枠を拡大
年間投資枠は、つみたてNISAが40万円、一般NISAが120万円ですが、この上限金額をもっと増やしたり、新たな成長投資枠を増やす。という内容です。
④つみたてNISAの対象年齢を未成年に拡大
これはつみたてNISAだけの要望らしいですが、今現在20歳以上に限られているけど、未成年もつみたてNISAを購入できるようにするという内容です。
税制改正要望が実現するならいつ頃?
8月頃:各省庁が税制改正の要望案を財務省と総務省に提出
業界団体や税理士会などや各省庁から、来年度の税制改正の要望案が集められ、財務省と総務省に提出します。
これが先日ニュースになっていた「金融庁が2023年度税制改正要望を財務省に提出」に当たります。
9月~10月頃:政府税制調査会が議論する
税制調査会は内閣総理大臣の諮問機関で、学者や経営者などの有識者が集まって「税制のあり方」について議論します。
11月~12月頃:与党税制調査会で議論される
与党税制調査会とは、自民党と公明党の税制調査会のことを意味します。
自民党、公明党、双方の意見を擦り合わせる「与党税制協議会」があるのが特徴です。
ここで各省庁からの税制改正要望項目がふるいにかけられ、その中から「税制改正項目」が決定され、税制改正大綱へと絞り込みを行います。
12月中旬:与党が税制改正大網を発表
与党が税制改正大網を発表します。
税制改正大綱は法案の原案となる重要なもので、税制調査会を中心に、翌年以降の改革案をまとめたものです。
よって、大綱を見ればおおよその税制改革の内容が分かるといわれています。これには法案の具体的な内容が記されています。
12月下旬:政府が税制改正の大網を発表
税制改正大綱をベースに、財務省と総務省が「政府の税制改正大綱」と「地方税制改正案の概要」を取りまとめます。
1~2月頃:税制改正法案を国会に提出
政府が税制改正法案を通常国会に提出し、衆議院→参議院の順で審議と採択が行われます。この時、法案の修正はほとんど行われません。採択するかの議論をします。
3月頃:「税制改正法案」国会可決・成立
ほとんどの場合、3月下旬までに税制改正法案は国会で可決・成立となります。
4月~:税制改正関連法の施行
成立した改正法案が施行されます。
施行時期が4月1日以外のものもあります。
税制改正は、こんな感じの流れで行われます。(税制改正大綱の閣議決定案は、財務省のホームページから見ることができます。)
そうなると、一番注目するべきは、12月の税制改正大網が決定する時期です。
つみたてNISA・一般NISAの税制改正要望:まとめ
2022年8月23日に金融庁が財務省に提出した2023年度税制改正要望をざっくりまとめると、
- 投資可能期間を恒久化(いつまでも購入できる)
- 非課税期間を無期限(ずっと非課税)
- 年間投資枠を拡大(もっと投資金額を増やせる)
- つみたてNISAの対象年齢を未成年に拡大
次の注目ポイントは2022年12月の、税制改正大網の発表です。
金融庁が今回この要望を提出した目的は、言うまでもなく「個人金融資産を貯蓄から投資へとシフトさせる。」これです。
それだけ、将来は年金だけに頼れなくなるのかなと思います。
今回の税制改正要望の内容は、今まで投資をしたことがない人にとっては、投資を始めるきっかけにもなるでしょうし、現在つみたてNISA・一般NISAをしている人にとっても、とても魅力的な内容になっています。
私のつみたてNISAの運用実績は、つみたてNISA運用実績を定期的にブログで公開で書いていますので、良かったらどうぞ。